杉の床でのくらし「浮造り(うづくり)加工」
「うづくり」とは木材加工の一種で、
木の表面の柔らかい部分をけずって、
かたい部分だけを浮き上がらせる加工です。
「うづくり」加工の工程
今回は、フローリング材として使用するので、まず、ただの板状の建材を「本実加工」と呼ばれる板どうしの継ぎ目の加工をします。

これはモルダーという機械で、上下左右の4面を同時に切削加工できる機械です。

モルダーで4面を加工し、できたこれが「本実加工」です。
(2枚をこういう風につなぎます)
通常、この後「サンディング」といって、表面をやすりで削り、仕上げの作業をするのですが、
今回は、表面を「うづくり」にするので、その作業は必要ないので次の工程に進みます。
これが「うづくり」をする機械です。
専用のブラシで表面の柔らかい部分をけずります。

完成!
「うづくり」したもの
「うづくり」してないもの
上の画像の左が「うづくり」加工したもので、
右がしていないものです。
(わかりにくいかな?)
「うづくり」加工のメリット
杉の床は、「保温」「保湿」に優れ、
杉の香りは、自律神経に作用し、呼吸数や心拍数をゆっくりさせることから、
心身をリラックスさせる効果があることがわかっています。
しかし、杉などの針葉樹は柔らかく、肌触りは非常に良いのですが、
その反面、キズやヘコミができやすいという欠点もあります。
しかし、「うづくり」にすることで、表面が凸凹しているので、
光が乱反射し、キズも目立ちにくくなります。
また、もともと木には、有害な紫外線を吸収して、
温かみのある赤外線を反射する性質があります。
これにより、まぶしさが抑えられ心地いい空間となります。
「うづくり」は赤外線の反射をさらに広域にすることになり、
より優しい光を提供してくれます。

さらに「うづくり」加工の年輪は、
年月とともに味わいを増します。
「古美ている(ふるびている)」
とは、よくできた日本語ですね。
「うづくり」加工については、コチラも参照ください。